画期的な大腸がん検診方法を開発

国立がん研究センターによると、今年2015年には現在最もかかる率の高いとされる大腸がんにおいて、早期発見が可能になる大腸がん検診の準備を進めると発表しました。画期的は方法とは、がん細胞が分泌するエクソソームという成分を診断に活用することで、早期であっても簡便に診断が可能になるというものです。エクソソームとは、細胞から分泌される脂質で形成された小胞で、近年さまざまなたんぱく質やRNA(リボ核酸)が含まれていることが分かっており、細胞間の情報伝達において重要な役割を担っていることが期待されている成分です。大腸がんは、今年2015年中には患者数が胃がんを抜いて1位になると予測されているがんです。

がん検診の方法には、集団検査の際に用いられるものに「便潜血検査法」がありますが、感度や特異度においてどちらも十分とは言えない検査方法で、大腸がんが進行している患者さんであっても陰性を示す場合があります。一方、精密検査では「大腸内視鏡検査」という方法が用いられます。しかしこの方法は検査前に処置が必要となったり、痛みを伴うため検査に対する恐怖心が生まれてしまい、受診率が上がらないのが現状です。こうしたことを受け、大腸がん検診の効果的な方法が急務とされてきました。

今回開発されたエクソソームによる検査方法は、微量の血液からがん特異的なエクソソームを検出する方法となっており、大腸がんのみならず、早期診断が困難なすい臓がんや更にはがん以外の疾患にも有効とされているため、数年後の実用化に向けて進められています。

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